株式会社リ・フォースのご紹介

株式会社リ・フォース

精密板金加工技術でデザイン重視の新分野に挑む

事業内容 :精密板金加工

・創 業 1964年(昭和39年)5月
所在地 川崎市川崎区塩浜2-19-17
電 話  044-276-1161
代 表  椛沢 瑛一 氏(カバサワ エイイチ)
URL  http://www.re-force.co.jp
多目的デジタルサイネージ
最新鋭の生産・加工設備を活かして、果敢に新しい商品分野の開拓に挑む企業が、川崎区塩浜にある。株式会社リ・フォースは、長年の実績で蓄積した加工ノウハウと意匠デザイン・スキルを統合し、自社独自の商品開発に乗り出し、注目を集めている。

最新鋭の加工設備で新分野に進出

「最近、見本市のブースで展示してあるわが社の製品が盗み撮りされるのですが、いくら真似をしようとしても、うちのような高精度の加工はなかなか他社さんにはできないと思います。それは、加工方法が違うからなんです」と、リ・フォース社の椛沢瑛一社長は誇らしげに語った。 同社の加工精密度の高さは、保有する最新鋭の加工設備に支えられている。溶接部分に必要最低限の熱をピンポイントで加えるという方式をとったレーザー溶接機は、素材に発生するひずみを防ぎ、商品の美しい仕上がりを実現する。その長所を活かして開発したのが、同社の独自新商品である『iPadサイネージ』である。「見本市でこの商品を見た人は、『リ・フォースさんはすごいモノをつくっちゃったね』と言います。実際に、このサイネージが使われているところを見に行くと、周りがよほどお洒落でなくては浮いてしまうほど美しい。これからは高級感を必要とする場所に普及していけば」と自信を見せる。

同社がそれだけ高度な加工能力を持っているのは、前社長(現会長)が技術へのこだわりを持って、積極的に新設備を導入してきたからだという。

遊戯機械製造で鍛えられた意匠デザインセンス

リ・フォース社はもともと東京都大田区の大森で板金加工業として1964年に創業、2008年に四代目社長として椛沢瑛一氏が事業継承するまで、長年にわたって自社ならではの技術を蓄積した。その後社業の拡張に伴い川崎市内に移転、様々な分野の板金加工を手掛けてきた。 そして同社が意匠デザインにこだわるきっかけとなったのは、大手遊戯機械メーカーとの取引で、ゲームセンターにあるような大型アーケードゲーム機の部品加工を手掛けたことであった。大型ゲーム機は、遊びに来た人の目を惹くような華麗さが必要とされるため、部品それぞれに精密で美しい加工を施す必要があった。このことが加工精度を高めるだけでなく、加工対象の美観を向上させることにも力を入れていく理由になった。

そこで同社は高度な加工設備の積極的導入に踏み切ったが、これらの設備の能力は自社デザインの商品でなければなかなか活かしきれないことに気がついたという。まず、これだけの高精度の加工ができることを設計担当者が知らなければ、それだけの要求をデザインに盛り込むことはありえない。しかし部品加工を他社から受注する場合は、発注側はある特定の一社にしか加工できないくらいの高い精度を求めることは取引上あまり好まないので、やはり最新鋭の設備のキャパシティを最大限引き出すというところまではなかなかいかないという問題があった。

●自社設計で新しい商品分野の開拓へ

遊戯機械の業界が成熟してきたこともあり、同社は部品加工以外に、より高付加価値の生産を意図して、自社独自の商品開発・展開を手掛けはじめた。意匠デザインの重要性を強く意識してきた過去の経緯から、自社商品を開発する際には、プロダクト・デザイナーと提携、協働して意匠を創案する取り組みが成果を上げている。単に取引先から届いた設計図に従って部品を加工するだけでは、ついつい生産効率ばかりを優先してしまいがちであった。「ノベルティ向け商品としてペン立てをデザインすると、プロダクト・デザイナーは美観から考えて曲面にこだわるのですが、これは作りやすさばかりを優先していると、なんでここを曲面にしなければいけないのか、平面でいいじゃないかとなってしまいます。しかしそれでは、魅力的な意匠にならないのです。我が社では社内で設計から生産まで行うために、保有する設備の能力を活かして、意匠の魅力を引き出すためのぎりぎりまで追求できます。また表面処理・塗装なども協力企業とよく打ち合わせて、商品の良さを引き出す色合いなどに気を使っています」。

同商品を試験的に見本市に出品してみたところ、業者に注目されて反応が良く、商品としての可能性に気付き、積極的な販売展開に踏み切る決断につながった。同社は実際にこのペン立てを社員募集の説明会でも来場者に配っているが、魅力的なデザインがもらった人の意識に強く残るので、商品に記載された連絡先も注目されやすく、パブリシティに効果を上げているという。

● いいものづくりにつながる人材を育てたい

設計技術の変化で、ものづくりに必要なコミュニケーションの形も変わってきていると椛沢氏は分析する。「取引先がこちらに発注してくる場合、3次元CADでつくった設計データをメールでやりとりするだけになると、完成図の中でかたちが成り立っているが、作るときのことを全く考えていない、というデザインの持ち込みが増えてきました。そのときに、こういう風にしたほうがもっとつくりやすい、といったことをこちらから提案することが、よりよいものづくりに繋がると考えています」。同社はそういった技術知識を踏まえた上で改善提案ができる営業担当者の育成を心掛けており、ここ数年で何名かの若手社員を鍛えることができたという。 また、これまでになかった新しいコンセプトの商品開発にも積極的に取り組み、新しい市場の開拓を目指している。たとえば、同社が日本で最初に導入したパイプのレーザー加工技術を活かして、ペット向けの仏壇などを自社でデザインしている。特にこの商品については、新しい分野に挑戦したがる若手担当者に任せる方針である。今後も、自社内で設計から生産まで行うからこそのスピードを活かし、積極的に顧客のニーズに応えていく体制を作り続けていく。

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