株式会社ユニオン産業のご紹介

株式会社ユニオン産業

産学公・市民グループとの連携で次々とエコ商品を送り出す

事業内容:プラスチック部品・製品の製造・販売

  • 創 業 1972年(昭和47年)2月
  • 所在地 川崎市中原区井田杉山町2-3
  • 電 話  044-755-1107
  • 代 表  森川 真彦氏(モリカワ マサヒコ)
  • URL   http://www.uni-project.com

若くしてプラスチック成型加工業を始めた森川真彦社長は、創業20年目を過ぎたころカナダへの自社製品の売り込みの途次、トウモロコシを主原料にした微生物で分解できるバイオプラスチック”ノボン樹脂”に出会った。

環境公害に関心の高かった森川社長は「これこそが次の時代のプラスチックだ!」とひらめいたという。以来、自然環境への負担の少ない環境樹脂の普及のため、様々な商品化の活動を続けている。

●創業時代は夢中で仕事に取り組み、苦しさは無かった。

プラスチック成型加工業を営んでいた父親が、事情により会社をたたみ、厚木の工場も他人の手に渡ってしまったのは、森川社長が22歳の時であった。母親が病弱なうえ3人兄弟の長男として大きな責任を自覚した森川社長は、アルバイトで20万円を貯め、2年後に中古のプラスチック射出成型機を購入し創業した。 創業当時は仕事が殆ど無く苦しい時期が続いたが、当時創業したばかりの自動車アクセサリーのトップ企業㈱カーメイトの社長が、父親の事業を手伝いデリバリーで出入りしていた森川社長に目をかけて注文を出したのがきっかけとなり、今日までの成長の基盤となった。「機械にとりついていることが楽しく、夢中で仕事をしました。創業の苦しさは全く感じませんでした」と当時を振り返る。

●産産連携で生まれた環境樹脂「UNI-PELE」(ユニペレ)

その後カナダでノボン樹脂に出会った森川社長は、すぐに商品化に取り組み始めたが、課題も多かった。バイオプラスチックは生物資源を活用するため安定供給に難が有り、高価であること、また耐久性・機能性で従来のプラスチックに大きく劣ること、そして一番の問題が当時の社会に環境への関心が充分醸成されていなかったことである。 自然環境にやさしい環境樹脂の普及に使命感を持った森川社長は懸命に売り込んだが、事業としては失敗の連続であった。しかし中断することなく展示会やパブリッシングなどで営業活動を続けているうちに、某素材メーカーの目に留まることとなり、連携して新素材の開発に取り組んだ結果、「環境樹脂UNI-PELE」が誕生した。

「環境樹脂UNI-PELE」は、竹の廃材を配合した”TAK-REM(タクレム)”と麦皮廃材を配合した”BER-REM(バーレム)”の2種類がある。特徴としては、共に天然の有機廃材を使用しているため、一般樹脂と比較して燃やしても有毒ガスやCO2の発生が少なく、燃焼カロリーも低いため焼却炉を痛めない。また抗菌作用があるため食品衛生法による容器衛生規格の取得ができ家庭用品へ転用可能であったこと、そして廃材を利用しているため安価で供給面も安定している。現在では竹や麦皮廃材活用の他、コーヒー豆カスや杉の間伐材などの応用も研究中であるという。

産学官公さらに市民グループとの連携でエコ商品の開発

環境樹脂UNI-PELEは、食品トレー、箸、花立て、ポット、フェンス、ゴルフティー、また野菜の鮮度を保つ冷蔵パック”シャキッとシート”等、様々な商品へ登用されている。しかし普及には更なる用途開発が重要であると考えた森川社長は、各所からアイディアを取り込む活動を進めている。その一例である吸盤付き幼児用食器「Q-Bamboo」は”竹粉配合樹脂を用いた新商品企画”をテーマに専修大学3年生の5人をインターンシップとして登用し生まれた商品である。キャッチコピーは「赤ちゃんから子供デビュー」、抗菌作用があるため衛生的であり、さらにテーブルに張り付く吸盤を底に付けることで1,2歳児でも上手にご飯が食べられる食器となった。 また、子育ママたちの情報サイト”MAMA-PLUG(ママ・プラグ)”から生まれた離乳食用の弁当箱「Bam Boo Boo」も衛生面やにおいがつきにくい特徴を活かしている。箱には保冷剤を入れるスペースがあるため、どろどろの離乳食を夏でも戸外へ持ち出せるという。

企業間の連携では、平成22年の川崎市「知的財産交流会」で出会った富士通の開放特許を活用、環境に配慮した衝撃吸収型梱包材「ワンタッチトレーパック」を製作した。電子機器・精密機器・ガラス・貴金属などの輸送に使用するこのパックは、部材費低減、サイズ縮小、作業効率アップなどの画期的な機能を実現している。さらに、大学発ベンチャーで皮膚の自己回復能力を活性化させる画期的化粧品を開発している㈱ナノエッグは石鹸トレー「マリアンアソープディッシュ」に環境樹脂UNI-PELEを採用、川崎市内の企業連携で生まれた商品を強く印象付けている。

このような外部からのアイディア登用に頼るだけではなく、3月5日の東北新幹線はやぶさ弁当箱(UNI-PELE製)は自社で企画・提案活動を実施、青森などで発売され話題になっている。

子供たちが安心して暮らせる明るい未来の創造にむけて

「当社の使命は環境素材の普及により、地球環境の蘇生を実現することです。そのためには会社そのものの存続が第一の課題。社員ともども頑張っていきたい」と意気込みを語る。週末は横浜市中区山下町にある直営販売店の”濱族(はまぞく)”を手伝う。社長の趣味の一つでもあり、店頭に並んでいるカウチンセーターやレトロ小物に囲まれた生活を精一杯楽しみながら、環境樹脂の普及のため、夢中で仕事に取り組んでいる。


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